ガー子の物語

ガチョウのガー子は12年前に樹麻紅工房の隣の家で保護されて以来スタッフの家で飼われています。

秋の夕暮れ時、もう直ぐ暗くなろうかという時に何処からどのようにして来たのか突然庭先に現れたそうです。

隣の家の騒ぎを聞きつけて行ってみると、灰色の首の長い大きな鳥がガーガーと鳴いていました。

とっさに幼い頃読んだ童話「みにくいアヒルの子」を思い出し、これは白鳥のヒナに違いないと友人の獣医に連絡しました。

友人は野生動物の保護を行っているので防護服、ゴーグルに身を固めやってきましたが、一目見て「なーんだ、ガチョウじゃない」とがっかりした様子。

警察に問い合わせたところガチョウは拾得物になり、二週間は保管しているけれどもその後は薬殺されるということでした。

気の毒に思ったスタッフが引き取り、現在に至っているというわけです。

ガー子はどういう基準なのか分かりませんが、その人を見た瞬間に好きな人と嫌いな人に区別しているようです。

嫌いな人には容赦なく攻撃（くちばしで突っつく）してきますが、好きな人だと思うと傍に寄り添ってきます。

老若男女、体形に至るまで好みに一貫性はありません。

全て謎です。