プーしゃん

プーしゃんは手芸屋さんの店頭に飾られてあったぬいぐるみキット。

約50年前に幼かったご依頼主様がお母様におねだりしたことで二人は出会いました。

お母様は裁縫は得意ではなかったそうですが、ご依頼主様のために途中で挫折しながらも約二年間かけて一生懸命に作ってくださいました。

その後は一人っ子のご依頼主様にとっては弟でもあり相棒でもあったので、お風呂にも一緒に入る程、何時も一緒に過ごしたそうです。経年劣化でほつれてきた時はご自分で治してこられたそうですが、最近ではつぎはぎだらけで直しようがない状態になってしまいました。

プーしゃんは二年前に亡くなられたお母様が手縫いで作ってくださった唯一のぬいぐるみであり、お母様を最後まで見守ってくれた、ご依頼主様にとっては特別な存在です。この先も一緒に歳を重ねて生きていきたいと、今回、私共の工房に治療をご依頼くださいました。

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（治療前）

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（治療後）

治療はまず、顔の糸を外すことから始めました。一度に外すと生地そのものがバラバラになってしまうので、少しづつ土台を作りながらの作業です。土台が出来たらその上に植毛をしていきました。大変でしたが、何とか治療できました。

ご依頼主様からはとても喜んで頂けたようで、治療の終わったプーしゃんとのご対面の動画を送ってくださいました。

プーしゃん、これからも末永く、みんなと仲良くね。