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 800点ほどのぬいぐるみを集めている、という東京・昭島市のS・Nさんからメールで連絡が入ったのは04年1月10日のこと。

 「アフリカの動物で、ぬいぐるみを作って欲しいのですが」という主旨のメールだった。折り返し電話を入れて事情を聞いた。

 「いま800点ほどのぬいぐるみを持っているのだが、とにかくぬいぐるみが好きで、毎日囲まれていたい、ということなんです」といい、「新たに作って欲しい、作りたいぬいぐるみが20点ほどあるんですが、取りあえずオリックスを作って欲しい」と、オリックスの写真を送ってきた。どこを探しても売っていなかったので注文をしてきた。

 Sさんからの注文はこうだ。身長は30センチ、セミリアルな感じに、というもの。送ってきた写真は、ほぼ真っ直ぐ伸びた長い角と、体の色は比較的明るい茶系だった。朝日動物百科を見ると、写真を写した時の光線状態にもよるが明るい茶系や濃いグレーなど、多様な色合い、濃度があることが分かった。色合いについては、送ってきた写真で生地を選ぶようにすることにしても、問題は顔や首、胴体、足に走っている黒い帯状の文様をどのように描くか、だ。どの写真を見ても同じ文様が無いようにも見受ける。

 「はっはぁ~あ。このオリックス、私のセンスと力量を試しているな」

 資料の収集、文様の判断(デザイン)、生地等の集取など久しぶりに苦戦したが、3月の中ほど、出来上がったオリックスを送った。すぐ返事が入った。

 「すごく感激しました。最初開けたときは、もう少し顔が長い方がいいかなと思ったのですが、前から見て横から見てと繰り返し眺めているうちに、絶妙なバランスであることがわかりました。リアルさと可愛らしさのバランスも、望み通りでした。とても気に入ってます。また次もお願いしたいのですが、ご予定はいかがでしょうか。とりあえず10体分の費用は確保しました。次はいつごろお願いしてもよろしいでしょうか。実は、次はゲレヌク、その次はサイガと勝手に決めています」

 (これは内緒ですが、Sさん、ご主人に内緒でコレクションしているようで、今回のオリックスでも、「ン万円で何を買ったんだ」と詰め寄られたそうで、Sさん「価値のわからない人は腰を抜かしますので」と涼しい顔で言ってのける)

 そんなにお褒めの言葉を頂いて、ぬいぐるみ作り冥利に尽きます。そこで注文に応じられる製作は、2か月に3体ぐらいと返事をした。そして3体の注文と絵が送られてきた。

 「この間は素晴らしいオリックスを作っていただき、本当にありがとうございました。帰ってきてすぐ目に入るところに置いて毎日眺めています。見れば見る程、良くできているので、あらためて感激しています。さっそくゲレヌクなどの絵を送ります。みんな変わり者です。また素晴らしいものを作っていただけると期待しています」

 ほんとうに見たことも聞いたこともない動物だが、世界中でたった1つのオリジナルのぬいぐるみ作りに、ますますファイトが湧いてきた。

樹麻紅工房 オリックス